太陽光発電の導入の目的は東日本大震災前と後で多少変わってきたとは思います。東日本大震災前ではコストが最重要要素でしたが、大震災後ではクリーンエネルギーへの参加意識、震災時の予備電源としての利用期待など、導入時の判断指標としてコストだけではない理由で導入を検討している人も少なからずいるでしょう。
とは言っても、太陽光発電システムはまだ高価で、気軽に買えるものでもありません。やはりコストのことは一番気になるポイントだと思います。
平成25年度は太陽光発電の補助金、買取価格ともに、前年度より下がってます。
国の1kWあたりの補助金は 3.5万円が2万円に(1kW41万円以下の場合)、買取価格は42円から38円に(10kW未満の場合)になりました。
それを踏まえて、損益分岐点はどうかわったのか考えてみました。損益分岐点を厳密に計算しようとすると、現在使っている電気の使用量、設置する太陽光発電の発電容量、地域、日当たり、設置角度、補助金の金額などの設置者による変動要素が多く、また、仮にそれらの要素を細かく加味して計算したとしても、日照量による変動要素もあり、真の損益分岐点を求めることはなかなか難しいものです。
そこで、ここでは1つのざっくりとした目安を求めるために、各数値に前提をおいて大まかに計算してみました。
導入費用
ケースバイケースでまちまちですが、以下の前提で計算してみます。
設置する太陽光発電のkw数
4kwとして計算します。
kwあたりの導入費
25年度の補助金制度では補助金を受けられるのが1kWあたり50万円以下であることが決められています。
1kw あたり 50万円で計算します。
補助金
補助金は、25年度の国の補助金である1kW当たり15,000円 のみを適用した場合としてみます。
各都道府県、市区町村での補助金制度もありますが、受けられない人もいるので、ここでは考慮しない
こととします。
上記の前提で計算した場合、導入費用は以下のようになります。
発電量
年間発電量として、発電量比較のページで記載しているソーラーフロンティアの数値、年間 4,430kWh を採用してみます。
太陽光発電導入前の電気料金
これも家庭によりかなり異なると思いますが、1ヵ月平均 10,000円で考えて見ます。
導入後の電気代
太陽光発電の導入後は、元の電気料金の6割前後になるとの試算が多いので、その試算を採用します。
売電量
これも発電量の6割を売電できるという試算が多いので6割を売電した場合を考えてみます。売電価格は、平成25年度の売電価格である、38円/kwh とします。また、現在の制度だと、この売電価格の保障期間は10年間です。10年経過以降の売電価格については、経済産業省では、現時点では未定としていますが、10年経過以降も同じ価格で売電できると仮定します。
その場合、売電で得られる年間金額は、以下になります。
損益分岐シュミレーション
上記の前提で計算した場合、損益分岐点(初期投資が回収できる時期)は、以下になります。
(月額4,000円分の電気料金削減と、月額8,417円の売電)
ただ、この試算は導入金額を1kwあたり50万円としているものの、
・売電価格は10年間経過以降も同じ 38円/khw
・損益分岐点が来るまで初期投資以外の費用はかからないものとする
という前提ですので、その点については少し楽観的なシミュレーションです。
ただし、地方自治体の補助金はいれていませんので、その分の上積みは期待できます。
ちなみに、この損益分岐の計算は、全く同じ方法で平成23年度にも記事として書いたことがあるのですが、その時の損益分岐は 13.73年でした。つまり、補助金や太陽光発電の買取価格が下がっている25年度でもトータルで考えると、平成23年度の制度と比較してもほぼ変わっていない、ということになります。
実際はどうなのか?
上記のシミュレーションはあくまで、特定条件での概算ですから、実際に自宅に設置した場合にどうなるのか、についてはやはり見積もりをしてみないとわかりません。しかし、平成23年度、平成24年度と比較しても平成25年度での導入は損益分岐点に関しては遜色なく、引き続き太陽光発電が導入し易い環境であることにはかわりありません。
もし、自宅に設置した場合、どうなるか?をもう少し具体的に調べたいのならば、一度見積もりをしてみるのがいいと思います。本格的な見積もりには現地にて調査してもらう必要があるので、ちょっと面倒ですが、ネットだけで完結できる、簡易見積もりならばウェブページに必要項目を入力するだけなので、気軽に見積りをすることができます。
ネットの見積もりサイトも複数ありますが、当サイトの一括見積りサイト比較ページで、見積りサイトの比較をしていますので、見積もり時の参考にしてみてください。
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